キッチンカーの魅力と課題とは?
初めて個人で飲食事業を開業しようと考えた時に思いつく1つにキッチンカーではないですしょうか?
そこでキッチンカー経営の魅力と課題について挙げてみました。
キッチンカーの魅力
- 初期費用が低い
- レストランやカフェと比べ、キッチンカーは店舗を持つ必要がないため、初期投資が比較的少なくて済みます。
- 飲食店を開業したい人にとっては、コストを抑えてビジネスを始められるのが大きなメリットです。
- 移動販売が可能
- 場所を自由に移動できるため、イベント会場や人が集まるエリア、人気スポットなどに出店でき、客層に合わせて柔軟に対応できます。
- これにより、短期間で多くの顧客を獲得するチャンスが生まれます。
- 話題性・ユニークなコンセプト
- キッチンカーはコンパクトで目立ちやすく、SNS映えするユニークなデザインやメニューで話題を作りやすいです。インスタグラムやFacebookなどのSNSを使ったプロモーションとも相性が良く、口コミで広まりやすいです。
- フレキシブルな営業形態
- 営業時間や出店場所を自由に設定できるため、天候や需要に合わせた柔軟な対応が可能です。週末やイベント時に集中して営業し、平日は準備や休息にあてることができます。
- 少人数運営が可能
- 大きな店舗に比べて、少人数で運営が可能なため、人件費を抑えることができます。
キッチンカーの課題
- 営業場所の確保
- 人気のあるエリアでの出店場所を確保するのは、容易ではありません。
- 都市部では競争が激しいことがあります。イベントやマーケットへの参加に際しても、許可や契約が必要です。また、出店場所によっては顧客数に大きなばらつきがあり、収益が不安定になることもあります。
- 天候に左右されやすい
- キッチンカーは天候に非常に影響を受けます。雨や強風の日は売り上げが落ちることが多く、屋外での営業が困難になります。また、寒い季節や猛暑の時期も客足が遠のく可能性があります。
- 衛生管理と設備の制限
- 限られたスペースの中で、十分な衛生管理と調理設備を確保する必要があります。水道や排水、ガスや電気の確保が難しい場合もあり、店舗型の飲食店に比べて調理や保存に制限がかかることがあります。
- 法律や規制の遵守
- 地域ごとの営業許可、食品衛生法の規制、税務申告など、多くのルールを守らなければならず、各地域の法律を理解し、適切に対処する必要があります。また、保健所の指導に従うことも重要です。
- 設備維持やメンテナンスコスト
- キッチンカー自体が移動手段でもあるため、車両のメンテナンスやガソリン代、車検費用がかかります。長期的な運営では、この部分のコストを見越した資金管理が必要です。
- 限られたメニュー展開
- スペースの制約から、大規模なメニュー展開が難しいことがあります。限られた材料と設備で効率的に調理を行い、質を保つ必要があります。
まとめ
キッチンカーは、その柔軟性や初期費用の低さ、話題性などから多くの魅力がありますが、一方で営業場所の確保、天候の影響、法律の遵守など、課題も存在します。これらの課題をクリアしながら、独自のコンセプトやマーケティングを活用することで、成功を収めることができるビジネスです。
キッチンカーで提供する料理へのルール
キッチンカーで提供する料理の製造には、保健所の厳しいルールが適用されます。
食品の安全や衛生管理に関しては、地域の保健所が指定する基準を遵守する必要があります。
キッチンカーで調理・製造する際、ルールや制限があります。
調理に関する保健所のルール
- 調理の場の制限
- キッチンカー内での調理は可能ですが、一部の調理工程に関しては、キッチンカー内で行えない場合があります。
- 長時間の調理や複雑な調理が必要なメニューに関しては、保健所の基準により、事前に認可を受けた「営業許可を持つ厨房」(食品衛生法に適合した施設)での下準備や調理を求められることが多いです。
- 例えば、カットや加熱処理、下味付けなどは事前に適切な設備が整ったキッチンで行い、キッチンカーでは最終的な仕上げや提供のみ行うことが推奨されることがあります。
- 許可のある場所での調理
- キッチンカーでの営業には、保健所からの「移動販売許可」が必要です。この許可は、地域ごとに異なる規定が設けられており、各地域の保健所で確認が必要です。また、営業許可を得るためには、車両が保健所の定める基準に合致している必要があります。例えば、手洗い設備、冷蔵・冷凍機能、排水設備などが備わっているかが確認されます。
- 衛生管理の厳格な実施
- キッチンカーでは、調理器具や食材の保存、手洗い、ゴミの処理など、厳格な衛生管理が求められます。具体的には、次のような基準を満たすことが一般的です。
- 手洗い用の水が常備されていること
- 食材を適切な温度で保存するための冷蔵・冷凍設備
- 調理場の清掃を徹底し、ゴミや排水の管理を適切に行うこと
- 食中毒を防ぐため、食材の扱いに関するルールを遵守すること(例: 生食材と加熱済み食材を分けて管理する)
- キッチンカーでは、調理器具や食材の保存、手洗い、ゴミの処理など、厳格な衛生管理が求められます。具体的には、次のような基準を満たすことが一般的です。
- 加工・製造場所の確認
- 一部の食品については、移動販売車では製造できないものもあります。例えば、生魚や生肉を扱う寿司や刺身、バーベキューのようなメニューは、その場での調理が許可されていない場合があります。この場合、「認可されたセントラルキッチン」や「仕込み専用の厨房」で加工や下ごしらえを行い、キッチンカーでは最終的な仕上げや加熱のみを行うのがルールです。
- 定期的な検査と更新
- キッチンカーの営業許可は取得した後も終わりではなく、定期的な保健所の検査が行われます。
- 衛生面に問題が発生した場合、営業許可が取り消されることもあるため、定期的な設備のメンテナンスや清掃が不可欠です。また、営業許可の期限が設定されている場合もあるため、更新手続きも必要です。
具体例
例えば、カレーやパスタなどのメニューをキッチンカーで提供する場合、カット野菜や煮込み料理の下ごしらえは事前に認可された施設で行い、キッチンカーでは最終的な盛り付けや温めを行う、といった形がよく見られます。また、パン屋やケーキ屋のキッチンカーの場合、パンやケーキは事前に施設で焼き上げ、車内では販売のみ行うことが一般的です。
キッチンカーを出店する場所を探すには?
キッチンカーを出店する場所を探すには、いくつかの方法があります。場所の選定は、ビジネスの成功に直結する重要なポイントです。
出店場所を見つけるための代表的な方法を紹介します。
イベントへの出店
- フェスティバルや祭り、音楽イベント、スポーツ大会、フリーマーケットなど、定期的に開催されるイベントに出店するのが一般的です。これらのイベントは人が多く集まるため、一時的な売上が期待できます。イベントの主催者に連絡し、出店申請を行います。
- 出店費用や募集枠の有無などは主催者に確認が必要です。大規模なイベントほど競争が激しく、早めの申し込みが重要です。
定期的に出店できるスポットを確保する
- 商業施設やショッピングモール、オフィスビル周辺、観光地、公園などでの定期的な出店は、安定した売上が期待できます。こうした場所では、多くの場合、商業施設の運営者や地元の管理者との契約が必要です。
- また、月極の駐車場や空き地などを借りて、専用の出店スペースを確保することも可能です。特に都市部や人通りの多いエリアであれば、定期的に通うお客さんを増やすことができます。
地方自治体や行政の許可
- 公共の道路や公園などで出店する場合、地方自治体の許可が必要です。地域ごとに異なる規制や出店ルールが存在し、保健所の衛生基準に加えて、都市計画課や公園管理者からの許可を得る必要があります。
- 一部の自治体では、キッチンカーの営業を促進するための特定の出店エリアを設けている場合もあります。こうしたエリアでの出店は、地元住民や観光客をターゲットにしやすいです。
オフィスビルや工場の周辺
- ランチタイムに需要がある場所として、オフィスビルや工場の周辺が人気です。特に平日の昼間に、働く人々をターゲットにしたメニューを提供することができます。オフィスビルの管理者や、企業との契約を結んで定期的に出店することが一般的です。
- 毎日ではなくとも、週に1~2回の頻度で出店するスタイルが多く、リピーターの獲得に繋がります。
フードトラック専用のエリア
- 都市によっては、フードトラック専用のエリアやマーケットが設置されていることがあります。こうしたエリアでは、複数のキッチンカーが集まり、お互いに相乗効果を得ながら営業することができます。飲食ビジネスに特化したマーケットや、地域イベントでの常設エリアも探す価値があります。
ネットワークとSNSを活用する
- キッチンカーの出店に関する情報は、SNSや専用のコミュニティサイトで共有されることが多くあります。FacebookのグループやInstagram、Twitterなどを活用し、イベント情報や出店可能な場所を見つけることができます。
- また、他のキッチンカー事業者とのネットワークを構築し、情報交換を行うことも有効です。特に経験豊富な事業者は、良い出店場所やコツを教えてくれることがあります。
コワーキングスペースや大学周辺
- コワーキングスペースや大学のキャンパス周辺は、昼食や軽食のニーズが高い場所です。こうした場所では、働く人や学生をターゲットに、短時間で提供できる手軽なメニューが人気です。
- 事前にコワーキングスペースや大学の運営者に問い合わせ、定期的に出店できる許可を取ると良いでしょう。
フードトラックマネジメント会社を利用
- 一部の都市では、フードトラックマネジメント会社が存在し、キッチンカー事業者に出店場所を紹介したり、契約をサポートするサービスを提供しています。こうしたサービスを利用することで、効率的に出店場所を確保することが可能です。
企業や自治体のイベントケータリング
- 企業の社内イベントや自治体の催し物にケータリングとして参加するのも有効です。これにより、特定の顧客層にアプローチし、長期的な契約を得られる可能性があります。企業のイベントでは、昼食やパーティー向けのメニューが求められることが多いです。
口コミやリピーターの拡大
- 安定した場所で営業することで、口コミやSNSでの拡散が期待でき、自然と新しい出店場所の情報が舞い込むこともあります。お客さんとのコミュニケーションを大切にし、リピーターを増やすことで、出店場所探しがスムーズになる場合もあります。
まとめ
キッチンカーの出店場所を見つけるには、イベント参加や定期的な場所の確保、SNSの活用、そして企業や自治体との契約など、様々な方法があります。ビジネスのターゲットや提供する料理のスタイルに合わせて、適切な場所を探し、柔軟に対応することが成功の鍵です。また、場所を見つけるだけでなく、継続的に関係を築き、リピーターを獲得することも重要です。
キッチンカーでの1ヵ月の売上と利益?
では、キッチンカーは儲かるの?
キッチンカーでの1ヵ月の売上と利益は、出店する場所や提供する料理、営業日数、運営コストなどによって大きく異なりますが、一般的なケースをもとに売上と利益の目安を挙げてみました。
キッチンカーの1ヵ月の売上の目安
1日あたりの売上は、出店場所や客数によって異なります。ここでは、1日5万円~10万円の売上を目標とした場合のシミュレーションを行います。
これは正直成功されている良い例です。
- 1日の売上: 5万円 ~ 10万円
- 営業日数: 月20日(週5日営業の場合)
売上のシミュレーション
- 1日5万円の場合:
- 月の売上: 5万円 × 20日 = 100万円
- 1日10万円の場合:
- 月の売上: 10万円 × 20日 = 200万円
キッチンカーの1ヵ月の経費
次に、売上に対する経費の内訳です。主な経費には、材料費、人件費、ガソリン代、場所代、メンテナンス費用などが含まれます。
主な経費の例
- 材料費(原価率30%~40%): 売上の約30%~40%
- 人件費: 自身のみで運営する場合は考慮しないで、パートタイムスタッフを雇用した場合の前提
- 場所代: イベント出店の場合、1日1万円~3万円程度かかることが多い
- ガソリン代: 月に数万円(移動距離による)
- 車両のメンテナンス費用: 年間で分割して月平均1~2万円
- その他費用(保険、税金など)
経費のシミュレーション
- 材料費: 売上の30%~40%
- 場所代: 月に20万円(1日1万円×20日)
- ガソリン代: 月に約2万円
- その他費用: 約3万円
合計で、売上の50%~60%程度が経費に充てられることが多いです。
これにアルバイトスタッフを雇えば人件費が加算されます。
人件費は経費の割合が高くなる傾向ですが、キッチンカーは自分のみや夫婦だけでもできてしまう為、人件費が発生しないようにできるのは大きな魅力です。
1ヵ月の利益の目安
売上から経費を差し引いた金額が利益になります。
売上100万円の場合(1日5万円の売上)
- 売上: 100万円
- 経費: 約50万円(50%)
- 利益: 約50万円
売上200万円の場合(1日10万円の売上)
- 売上: 200万円
- 経費: 約100万円(50%)
- 利益: 約100万円
売上利益を阻害する懸案事項
- 季節や天候の影響:
- 雨の日や寒い季節は売上が落ちることが多く、逆に夏のフェスやイベントでは高い売上が期待できます。天候や季節により月ごとの売上に波があるため、繁忙期と閑散期のバランスが重要です。
- イベントの種類:
- 大規模なイベントでは1日の売上が10万円以上に達することもありますが、平日の出店では1日2万円~3万円程度に落ちることもあります。イベント出店が多いほど、月の売上は上がります。
- メニューの価格設定:
- 客単価が高ければ、少ないお客さんでも高い売上が見込めますが、リーズナブルな価格帯で数を売るスタイルの場合は、集客力が重要になります。
まとめ
- 売上: 1日あたり5万円~10万円で、月の売上は100万円~200万円が一般的。
- 経費: 売上の50%~60%が経費に充てられるため、月の利益は50万円~100万円程度が期待できます。
ただし、実際の売上や利益は、出店場所、営業日数、料理の種類や価格、運営スタイルによって大きく変動します。
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これはあくまでも成功例として良い事例です。
正直、このようなケースは全体として希少だと思います。
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このシミュレーションでは
1、月20日営業できる場所の確保
2、1日5~10万円を売り上げを継続できる
3、経費を50%~60%程度に収められる経費管理
などの経営課題が先ずは前提であります。
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この前提は正直難易度高いです。新規参入して、先ず月20日営業できて売上5~10万円はかなりハードルが高いでしょう。
1商品800円としたら5万円の売り上げを出すには、63食売らねばなりません。
大きなイベント会場であれば、朝から夕方まで販売機会はありますが、オフィス街で弁当販売ですとオペレーションも工夫しないとワンオペですと厳しいのは想像できますよね。
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また、昨今の原材料高騰も経費の圧迫につながってます。
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とは言え、新規で飲食店開業資金は高額です。
また、店舗運営で利益が40~50%などとても考えられませんので、低予算でコンパクトな経営ができるキッチンカーは魅力あるところです。
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