40代、50代とはキャリアプランが違う
現在40~50代の人たちが20代に描いていたキャリアプランと現在の20代が考えるキャリアプランは同じでしょうか?
同じ職場で働いている部下や後輩の20代の人たちと同じ価値観だと思い、自分の過去の話をした時にどのような反応されますか?
同じ価値観であれば、共感し尊敬を得られる事もありますが、違っていたら・・・
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勿論人それぞれ違いますが、現在の20代が考えるキャリアプランと、40〜50代が20代の頃に描いたキャリアプランでは大きなギャップがあると言われています。
経済環境、テクノロジーの進化、社会的価値観の変化は想像以上に変化してますので当然と言えば当然です。
安定 vs. 柔軟性
- 40〜50代のキャリアプラン:40〜50代の世代が20代だった頃は、安定した企業に就職し、長期的にキャリアを積むことが理想とされていました。終身雇用や年功序列が一般的で、「一つの会社で長く働くこと」が安定した生活と成功の象徴でした。
- 現在の20代のキャリアプラン:現在の20代は柔軟性を重視しています。転職を繰り返すことや、フリーランス、リモートワーク、副業といった多様な働き方が増えています。必ずしも一つの企業で長く働くことが成功とされず、個人のスキルや自由なライフスタイルを重視する傾向があります。
経済環境の違い
- 40〜50代のキャリアプラン:この世代が若い頃は、日本経済がバブル景気を迎え、その後の崩壊があったとはいえ、安定的な経済成長の時代に育ちました。大学を卒業して大企業に入ることが一般的であり、それがキャリアの成功の一部と考えられていました。
- 現在の20代のキャリアプラン:現在の20代は、不安定な経済状況やグローバル化、AIやデジタル化の進展など、未来が予測しづらい環境に育っています。物価上昇や所得の伸び悩みなども影響して、「安定」が難しいと考え、自己投資や新しいスキルの習得に力を入れる傾向があります。
自己実現の優先度
- 40〜50代のキャリアプラン:40〜50代の多くは、収入や社会的地位を重視していたため、キャリアは「仕事中心」になりがちでした。自己実現やワークライフバランスよりも、家族を養うことや住宅を購入することが大きな目標でした。
- 現在の20代のキャリアプラン:現在の20代は、自己実現やワークライフバランスを重視する傾向があります。キャリアだけでなく、趣味やプライベートの充実も大切にし、自分らしい生き方を追求しています。幸福感や精神的充足がキャリアの重要な要素となっています。
テクノロジーの影響
- 40〜50代のキャリアプラン:この世代が20代の頃は、インターネットやスマートフォンがまだ普及していなかったため、働き方やキャリアの選択肢は限られていました。主にオフィスに通勤し、伝統的な職業観に従ってキャリアを築くことが主流でした。
- 現在の20代のキャリアプラン:テクノロジーの進化により、リモートワーク、IT関連の仕事、オンラインビジネスが拡大し、職業選択の幅が大きく広がっています。テクノロジーを活用した新しい働き方や、グローバルな視点でキャリアを考えることが一般的です。
企業への忠誠心の違い
- 40〜50代のキャリアプラン:企業に対する忠誠心が高く、企業の一員として貢献することが大切にされていました。組織の中でのポジションや昇進が成功の指標でした。
- 現在の20代のキャリアプラン:現在の若者は企業への忠誠心が薄れ、企業に対してではなく、自分自身のキャリアや成長に忠実です。企業のブランドや名声よりも、自分の価値観や目標に合った仕事を重視します。
このように、40〜50代が持っていたキャリアプランと、現在の20代が描くキャリアプランには大きな変化があります。
これらの変化は、社会や経済の変化に伴うものであり、それぞれの世代が直面する環境によって異なるアプローチが必要とされています。
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ギャップへの理解とアプローチ
40~50代の社員が、20代後半の若手や部下とキャリアプランについて話す際には、世代間のギャップを理解しつつ、現代の価値観やニーズに寄り添うことが重要です。
適切なアプローチを取ることで、信頼関係を築き、若手の成長をサポートできます。
一方で、時代に合わないアドバイスや考え方を押し付けることは避けるべきです。
話すべき内容
a. 個々の価値観や目標に寄り添う
- 柔軟なキャリアの視点を示す: 20代は、多様なキャリアの可能性を考えていることが多いです。会社の枠にとらわれず、スキルアップや個々の成長に焦点を当てた話をすると、共感を得られます。「自分のスキルをどのように活かしていきたいか」や「どんなライフスタイルを目指しているか」といった質問をして、彼らの価値観に基づいたキャリアプランのアドバイスができると良いです。
b. 成長とスキルアップの機会を強調する
- 若手社員は、スキルアップや成長の機会を重視する傾向があります。業界のトレンドやスキル習得の重要性、社内での成長機会を提供できることをアピールすると良いです。具体的には「このプロジェクトはこんなスキルが磨ける」「社内の研修や支援制度がキャリアにどう役立つか」といった情報を共有しましょう。
c. 失敗を許容する姿勢を示す
- キャリアを模索する過程で、若手社員は失敗や挑戦に対する不安を感じることがあります。「失敗を恐れずに挑戦しよう」「自分に合うキャリアを見つけるために、さまざまな経験を積むことは大切」といったメッセージを伝えることで、安心感と挑戦への意欲を促せます。
d. ワークライフバランスを考慮したアドバイス
- 20代の若手社員は、自己実現やプライベートの充実もキャリア選択の一部と考えることが多いです。働き方や休暇、リモートワークなど、バランスを考慮したキャリア形成を尊重する話し方が好まれます。「仕事だけでなく、ライフスタイルも大切にしてほしい」といったアプローチが効果的です。
e. 自己探求のサポート
- 若手社員は自分のやりたいことがまだ見つかっていないこともあります。「この段階でキャリアの方向性が固まっていなくても問題ない。さまざまな経験を通じて、自分に合った道を探すことが大切」と伝え、自己探求をサポートする姿勢を見せましょう。
言ってはいけないこと
a. 過去の成功体験の押し付け
- 自分たちの時代の価値観や成功体験を押し付けることは避けるべきです。「昔はこうだった」「自分の時代はこれが正解だった」といった話し方は、若手社員にとっては時代遅れであると感じられ、モチベーションを損ねる可能性があります。特に、終身雇用や年功序列といった昔の働き方に固執する発言は慎むべきです。
b. 安定志向の強要
- 現代の20代は、安定よりも柔軟な働き方や挑戦を重視する傾向があります。「安定した会社に長く勤めるのが一番だ」「転職はリスクがあるからやめたほうがいい」といった安定志向を強調するアドバイスは、現代の若者には響きにくいです。
c. 過度な忠誠心の期待
- 「会社のために尽くすことが重要」というメッセージは、現代の若手社員には必ずしも受け入れられません。若い世代は、企業に対する忠誠心よりも自分の成長やキャリアにフォーカスしているため、過度に企業への貢献を強調することは避けましょう。
d. ワークライフバランスの無視
- 若手社員が求めるワークライフバランスを軽視する発言や「若いうちは休みを考えずに働け」といった姿勢は、20代にとっては大きなストレス要因になります。プライベートも尊重されるべきだという現代の価値観を理解し、無理な働き方を強制する発言は慎むべきです。
e. 「今すぐ決めるべき」というプレッシャー
- 若い世代は、キャリアの選択においても慎重であり、じっくりと自分の道を見つけようとします。「早くキャリアを決めろ」「これがベストな選択だから」といった急かすような発言は、かえってプレッシャーを与え、若手の成長を妨げることになります。
まとめ
40~50代の社員が20代の若手や部下にキャリアプランについて話す際には、彼らの柔軟な働き方や個々の価値観を尊重し、サポート的な立場で関わることが重要です。
自己成長の支援や失敗を許容する姿勢を示しつつ、過去の成功体験や安定志向を押し付けないようにすることで、信頼関係を築き、若手のキャリア形成に貢献できるでしょう。
人間はどうしても自分自身の価値観や正義を伝えたがるものです。
しかし、価値観の相違している者へそのような対応をすれば、打ち解けるはずの人間関係が逆へ行ってしまう危険があります。
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