個人店には固定高騰は厳しい
個人店経営において、物価高騰は非常に難しい問題です。
準じて商品価格を上げれば、ほぼ間違えなく来店客が減ったり使用頻度が減るのは容易に想像が付きます。
単価x来店客数=売上ですが、
単価を上げて来店客が減っても売上が維持もしくは上げれば問題ありません。
・
今の状況は世間一般的に物価高なので、値上げしても目立たない反面、多くの人が消費を抑えようとする流れです。外食を控えられる傾向なのは痛手です。
そして値上げ後の事も考えなければいけません。
値上げして一先ず、損益分岐点を超える商品になったと安堵しますが、もし客足が予想以上に減った場合は商売そのものの継続か?撤退か?も検討する必要があります。
・
意地を張って継続する事で商売が盛り上げれば良いですが、借金をして恵贈する事でその後撤退した時に負担を大きくしている可能性があります。
もし撤退してもその後の人生があります。
再度。飲食店を開業するのか?
他の商売を起業するのか?
または、勤め人になるか?
どの選択をするにも借金はないか、少ないに越した事はありません。
・
値上げタイミング
飲食店が値上げを検討する際、タイミングや値上げ後の戦略が顧客の反応に大きく影響します。
以下のポイントを参考にしてください。
値上げのタイミング
- 材料費高騰が顕著になった時期:
- 仕入れ価格が一定以上上昇した場合、早めに価格調整を行うことで損失を抑えられます。
- 年度や季節の区切り:
- 新年度や繁忙期前など、顧客の意識が変化するタイミングで行うと受け入れられやすいです。
- 新商品やリニューアル時:
- 値上げを目立たせないため、新メニューの導入や店舗の改装と同時に実施するのが効果的です。
- 競合の動向を確認:
- 同業他社が値上げを行うタイミングに合わせることで、お客様の心理的負担を軽減できます。
値上げ後の戦略
- 透明性を持った説明:
- 値上げの理由を明確に説明することで、顧客に納得してもらえます。
- 店頭やSNSで「品質向上のため」「原材料高騰のため」などと正直に伝えることが重要です。
- 価値を高める工夫:
- メニューの改善や盛り付けをアップグレードし、「値上げ以上の価値がある」と感じさせる演出をします。
- セットメニューやプロモーション:
- 値上げ後にお得感を与えるために、セットメニューや限定キャンペーンを提供。
- 常連客への特別サービス:
- 値上げに伴い、ポイント制度や次回割引などを導入して常連客の満足度を維持します。
- 小幅な値上げを複数回行う:
- 一度に大幅な値上げを行うと顧客が離れる可能性が高いため、小幅な値上げを段階的に実施します。
- 固定費削減の工夫:
- 値上げ前後に、光熱費や人件費を効率化し、全体的なコストを見直すことで利益を確保します。
- 顧客とのコミュニケーション強化:
- 店内での会話やSNSを通じて「応援したい」という感情を引き出すことが重要です。
具体例
- 説明文例:
「いつもご愛顧いただきありがとうございます。昨今の原材料費や物流費の上昇により、誠に心苦しいですが、一部メニューの価格を見直させていただくこととなりました。引き続き、最高の料理とサービスをお届けするための努力を続けてまいります。」 - プロモーション案:
「新価格に伴い、次回来店時にご利用いただけるクーポンをプレゼント!」
適切なタイミングと戦略で値上げを実施することで、顧客満足度を維持しつつ、経営を安定させることが可能です。
継続するか?撤退するか?
値上げ後も更なる値上げが避けられない場合、経営を続けるべきか撤退すべきかの判断は、感情だけでなく具体的なデータと分析に基づく必要があります。
以下のポイントを参考にしてください。
経営継続の可否を見極めるための判断基準
1. 財務状況の明確化
- 損益分岐点を再計算: 値上げ後の客数減少を見込んで、どの程度の売上が必要かを把握します。
- キャッシュフローの確認: 現状の手元資金でどれくらいの期間営業が継続できるか計算します。
2. 収益構造の見直し
- 高利益メニューの強化: 原価率の低いメニューを押し出し、利益率を高めます。
- メニュー数の削減: 人気がないメニューを廃止し、材料費を削減します。
- ドリンクやサイドメニューの追加販売: 利益率の高い商品を提案し、客単価を引き上げます。
3. 市場動向の分析
- 地域の競合状況: 周辺店舗の値上げ状況や集客方法を調査し、自店の差別化ポイントを再評価します。
- 顧客層の変化: ターゲット層が変化している場合、新たな顧客層へのアプローチを検討します。
4. 顧客ロイヤルティの測定
- 常連客の割合: 常連客が多い場合は、値上げを支持してくれる可能性が高いため、サービスや特典を強化。
- アンケートの実施: 値上げに対する顧客の意見を直接収集して反応を予測します。
5. 固定費削減の可能性
- テナント契約の見直し: 家賃交渉や移転の検討。
- 営業時間短縮: 集客が少ない時間帯の営業を削減し、人件費や光熱費を抑える。
- 省エネ設備の導入: 光熱費の負担を軽減するための設備投資を検討。
撤退の判断ポイント
1. 赤字の継続期間
- 赤字が半年以上続く場合: 継続するための根本的な改善策が見つからないなら、撤退を現実的に検討が必要です。
2. 市場の将来性
- 地域の人口減少やライバル店の増加など、回復の見込みが薄い場合は早期撤退も選択肢です。
3. 他事業への転換可能性
- 飲食以外の事業(例: ケータリング、通販、テイクアウト専門店)にリソースをシフトできる場合は、飲食店の閉店を視野に入れます。
4. 感情と客観の分離
- 個人的な思い入れだけでなく、冷静に数字やトレンドを見て判断する必要があります。
継続か撤退かの最終判断
- 継続の場合: 現状維持が困難なら、独自性を強化し、顧客に「この店でなければならない理由」を提供する戦略が必要です。
- 撤退の場合: 撤退の際には負債の整理や従業員の対応、残りの資産の活用方法を計画します。
経営は難しい決断の連続ですが、「数字とデータ」を基に、「市場性」と「熱量」のバランスをとることが大切です。
コメント