
個人店経営のリスク回避
個人で飲食店開業する際に如何にリスクを減らすが、大きなポイントです。
はっきり言ってリスクとはお金です。
資金力が企業と違って脆弱な個人には、安定経営をするのに出て行くお金を減らす工夫が必要です。
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個人が飲食店を開業する際にリスクを抑える方法はいくつかあります。自分自身の経験を踏まえて、重要だと感じるポイントをお伝えします。
小さく始める(スモールスタート)
いきなり大きな店舗を構えるのではなく、キッチンカー、間借り営業、ゴーストレストラン(デリバリー専門)など、小規模から始めるのがベストです。特に間借り営業は、低コストで実店舗の感覚をつかめるためおすすめです。
固定費を抑える(物件選びがカギ)
賃料の安い立地や、居抜き物件を利用すると初期費用を大幅にカットできます。物件選びの際は「家賃は売上の10%以内」を目安にすると、固定費が重くならずに捉えられます。
資金調達を慎重に(借金を最小限に)
自己資金だけでなく、補助金・助成金、クラウドファンディングなども活用し、借金を減らす工夫が必要です。小規模事業者持続化補助金や創業融資はチェックしておくべきです。
メニューを絞る(ロスを減らす)
食材ロスが多いと利益を圧迫するので、メニュー数を絞ってシンプルにするのが重要です。
「これを食べに来る」という看板メニューを決めると、仕入れコストも抑えやすくなります。
SNSを活用し、広告費を削減
開業後、集客に苦労するのはよくある話ですが、今はSNS(Instagram、TikTok、X)を活用することで無料で宣伝できます。開業前から発信して練習しておく事は良い経験になります。
副業や週末営業からスタート
いきなり本業として始めるのではなく、週末営業や副業としてテスト運営するのもリスクを抑える方法です。
実際に自分のコンセプトが受け入れられるか、テストマーケティングができます。自分のイメージがそのまま受け入れらるとは限りませんからね。
事業計画をしっかり立てる
感覚で開業すると失敗しやすいので、「最低限、どれだけ売上が必要か?」を計算し、事業計画を作ることが重要です。
経験上、大切なのは「小さく始めて固定費を抑えること」と「無理な借金をしないこと」です。
この2つを意識すれば、飲食店開業のリスクはかなり抑えられます。
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収益の柱を複数持つ
飲食店経営は天候や景気、トレンドの影響を受けやすく、売上が安定しにくいです。
出て行くお金をコントロールする一方で、入ってくるお金が増えればより更にリスク回避になります。
とは言え、飲食店営業は仕込みや片付けもあり営業時間外でも労働時間が長いものです。
「副業での収益を確保する余裕はなかなかない」との声が聞こえます。
ですが、そんな状況でも収入源を分散できる方法はいくつかあります。
店舗の収益を多角化する(同じ場所で稼ぐ)
飲食店の営業時間外や、空きスペースを活用して追加の収益を生み出す方法です。
✅ 間借り営業(シェア店舗化)
- 昼だけ営業の店なら、夜は他の人に貸し出す
- 逆に、夜営業なら朝カフェとして貸す
- 初期投資なしで副収入になる
✅ テイクアウト・デリバリー専門の業態を増やす
- 店舗売上が落ちても、テイクアウトやデリバリーがあれば収益を補える
- ゴーストキッチンを導入し、別ブランドを運営(同じ食材で違うメニュー展開)
✅ イベント・貸切利用を増やす
- 休日やアイドルタイムを利用して、ワークショップや企業イベントの会場貸し
- 「貸し切り専門の日」を作る
✅ 食品や調味料の販売(物販化)
- 人気メニューのレトルト化や、オリジナル調味料を販売
- 店舗の名物をECサイトやBASE、メルカリShopsで売る
飲食店の知識を活かして稼ぐ(飲食+αの収入)
飲食経営の経験は強みになります。その知識を活かして、副収入を得る方法です。
✅ 飲食系の情報発信(SNS・ブログ・YouTube)
- 飲食店の経営ノウハウをブログやYouTubeで発信し、広告収入を得る
- TikTokで短尺動画を投稿し、集客と収益化を狙う
- noteで「飲食店開業マニュアル」などの有料記事を販売
✅ 料理教室やオンラインレッスン
- 店舗で料理教室を開き、入会金+レッスン料で収入を得る
- zoomを使ったオンラインレッスンも可能(地方や海外の人もターゲットにできる)
✅ コンサルティングやアドバイス業
- 飲食店開業を考えている人向けに、1回○万円で相談業をする
- 「個人で飲食店を始める人向けの開業サポート」として、メニュー開発や仕入れノウハウを提供
✅ 店舗のプロデュースやレシピ提供
- 飲食店の立ち上げサポートやレシピ提供でコンサル料を得る
- フランチャイズ化やのれん分けも視野に
飲食店と関係のない収入源を持つ(完全に分散する)
飲食業に関係なく、時間を取られずにできる収入源もあると、リスク分散になります。
✅ 不労所得系の収入をつくる
- メルカリやAmazonでのせどり(仕入れと発送を工夫すれば短時間でできる)
- 不動産投資や駐車場経営(小規模でも可能)
- 株式投資・配当金・インデックス投資(長期的に育てる)
✅ AIを活用した副業
- ChatGPTなどを使ってブログや電子書籍を作成し、販売する
- 音声入力で記事を作り、アフィリエイトで収益化
- AI×デザインで飲食店向けのロゴやメニュー作成サービスを提供
✅ オンラインビジネス
- 飲食業界特化のサブスクサービス(例:月額制レシピ提供やオンライン講座)
- 店舗の余剰スペースをレンタルスペースとして貸し出す(スペースマーケットなどを活用)
結論:まずは「店舗内での収益多角化」+「オンライン収入」
労働時間が長い飲食店経営者でも、
✅ 店舗の空き時間やスペースを活用した収益化
✅ オンライン発信やデジタルコンテンツでの副収入
✅ 小さく始められる投資や副業
の3つを組み合わせるのが、無理なくリスク分散できる方法です。
勿論、店舗の場所や規模によってできる事とできない事があります。
飲食経営以外の事を提案しても「無理、無理」と言って全く行動されない人がほとんどですし、初めても直ぐに収益化できるかはわかりません。
試行錯誤を繰り返す可能性は十分ありますので、早い時点でこれも小さく初める事が大事です。資金繰りが厳しくなってからでは間に合いませんからね。
大好きな飲食店経営を安定して維持するのに必要であるなら「行動する」選択しかないのではないでしょうか。

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