
個人が飲食店営業を続けるか撤退するか迷ったら・・・
判断はどのような材料やタイミングで考えれば良いでしょうか?
個人飲食店経営において、「続けるか」「撤退するか」の判断は、感情ではなく数値データと市場環境を基に冷静に行うことが重要です。
以下の判断材料・チェックポイントを基に、最適なタイミングを見極めましょう。
財務面での判断基準(収益・負債状況)
✅ 損益分岐点のクリア
- 固定費(家賃・人件費・光熱費)と変動費(原材料費)のバランス
- 売上が損益分岐点を継続的に下回っている場合は赤信号
📌 判断基準:
- 売上 ≧ 損益分岐点 → 継続可能
- 売上 < 損益分岐点が6か月以上 → 継続が厳しい
✅ キャッシュフロー(現金の流れ)
- 「黒字倒産」があるため、利益ではなく現金の流れをチェック
- 毎月の固定費をカバーできる運転資金が3か月以下になったら危険
📌 判断基準:
- 手元資金が3か月以上ある → 余裕あり
- 2か月以下 → 早急に対策が必要
- 1か月以下 → 撤退準備を検討
✅ 借入・負債の状況
- 借金返済のために借金を重ねる状況になっていないか?
- 「リスケジュール(返済条件の変更)」をしたとしても経営が改善しない場合は撤退を検討
📌 判断基準:
- 借入の返済額が売上の20%を超えている → 負担大
- 借入の利息分を払うのも厳しい → 撤退検討
市場・顧客動向の変化
✅ 客数・売上の長期的なトレンド
- 直近3か月の売上が前年比で20%以上減少している
- 常連客の来店頻度が減っている(特にリピーターが減少)
📌 判断基準:
- 一時的な変動(季節要因・流行)なら様子見
- 3か月以上右肩下がり → 業態変更 or 撤退検討
✅ 競争環境の悪化
- 近隣に強力な競合店が出店し、客を奪われている
- 価格競争が激しく、利益を確保できない状況
📌 判断基準:
- 独自の強みがある → 戦略変更で対抗
- 差別化が難しく、客を取り戻せない → 撤退検討
経営者自身の体力・精神的負担
✅ 健康状態の悪化
- 飲食業は労働時間が長く、体調を崩す経営者が多い
- 過労やストレスが限界に達しているなら撤退も選択肢
📌 判断基準:
- 1年以上、体調不良が続いている → 休業や撤退検討
- 健康診断で異常が出た → 生活改善 or 事業縮小
✅ モチベーションの低下
- 「飲食業を続けたい」という気持ちがなくなった
- 新しいチャレンジに興味があるが、飲食店が足かせになっている
📌 判断基準:
- やりがいがなくなった → 事業売却 or 方向転換
- 他の道に進みたい → 撤退を前向きに考える
撤退のタイミングと出口戦略
✅ 撤退するなら「タイミング」と「資産整理」を考える
- 赤字が大きくなる前に撤退するのがベスト
- 撤退費用(解約違約金・従業員の退職金・在庫処理費)を事前に試算
📌 撤退の最適タイミング
- 契約更新前(テナントの解約金が発生しない)
- 繁忙期の前(撤退時に売上を少しでも回収できる)
- 借金が膨らむ前(負債を増やさない)
✅ 店舗売却・M&Aで撤退コストを抑える
- 営業中の店舗を売却(居抜き売却)することで、撤退コストを軽減
- M&Aで事業を引き継ぐオーナーを探す
- フランチャイズ加盟店なら、親会社に引き取ってもらえる可能性も
📌 判断基準:
- 売却先が見つかるなら、早めに交渉
- 負債が膨らむ前に「損切り」する勇気が必要
結論:続けるか撤退かの決断ポイント
✅ 続けるべきケース
- 売上の低迷が一時的で回復の見込みがある
- 価格改定や業態変更で立て直しが可能
- 経営者自身の体力・精神面が問題ない
❌ 撤退すべきケース
- 売上<損益分岐点が6か月以上続く
- 資金が尽きる前に撤退したほうが負債が少なく済む
- 競争環境が厳しく、回復の見込みがない
- 健康・モチベーションが限界に達している
撤退はネガティブに捉えがちですが、「適切な撤退」は次のステップにつながります。
「もう少し頑張れば…」とズルズル続けると、負債だけが増えるので、冷静な判断が重要です。

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