人不足は深刻だが、どこまで本気?
・
飲食店の人手不足は今に始まった事ではありませんが、昨今状況は深刻化しているようです。
その原因は、
1、そもそも一番働いて欲しい若い人たちの人口減少
2、時給相場の急騰の中、高い時給を支給する企業が増えている
3,飲食店に限らず多種多様の求人数が増加傾向の売り手市場
・
勿論、人手不足は飲食店に限った事ではありません。
求人を検索すると多種多様な業界の応募があります。
何処の業界でも人が不足しているのが伺えます。
・
ただ、職場や起業によってはホントに人不足への危機感はあるのか?疑念を持ちます。
店によっては「人がいませんのでお待ちください」
と堂々と張り紙をしているところもあります。
人がいないのだから仕方ないだろうと開き直っている姿勢には共感や同情は得られません。
・
また、大きな企業だと現場に人がいなくても管理職は危機感を持っているのか不思議になります。
実際に人が不足して困っているのは現場ですからね。
管理職は人がいなくても時間になったら帰るだろうし、顧客のクレームを直接対応する事はないでしょうから危機感が希薄なのかもしれません。
人手がないのだから、本社スタッフや役員が現場で働く企業はあるのでしょうか。
・
兎に角、人手が欲しいと現場はのどから手が出ているでしょう。
・
ではどうしたら人手を確保できるのか?
昔、上司の方に最大の求人は「辞めさせない事」だと教わりました。
辞めなければ求人やトレーニングの費用や労力は削減できます。
勿論、学生の場合は卒業があったり、主婦の方の場合はご主人の転勤等で辞めるケースもあるでしょう。
ですので、全く求人活動が必要ないとは言えません。
・
しかし、この辞めさせない為にどこまで管理職や現場の従業員は意識しているのか疑問です。
深刻さが身に染みていれば人手が足りない → 先ずはこれ以上の退職者を出さないようにしようと考えるでしょう。
次に採用した人材を中長期で働いてもらえる環境整備を考える。
・
この基本的な事が出来ていないところが常に求人している会社や店舗だと思います。
・
人がやめる原因は店舗?それともアルバイト?
・
大変な思いをしても直ぐに辞めてしまうのは人の問題?
それとも店舗や会社の問題?
・
人の問題の可能性もあるでしょう。
面接で見抜けないのか?と言われる方もいますが、難しい事もあります。
特に深刻な人手不足の職場ですと文字通り猫の手でも借りたいでしょうから採用基準が甘くなるのでしょう。
・
ただ、残念ながら面接で「ん?」と思った人は中々期待に応えてくれないケースの方が多いです。
勿論、時間が経過して「変身する」ケースもあります。
その変身を待てる余力があるかにもよります。
・
では、店や会社側に問題はないのか?
ここは冷静に観察し推測する必要があります。
問題ある職場 → 穴の開いたザルのような器に幾ら水を入れても貯まる訳ありません。
ですが
不思議とこんな簡単な事を見過ごしているのか、見ないふりをしている雇用側は非常に多いと思われます。
・
採用後の新人教育が「下手くそ」なんて事ないですか?
それは教える人、教材、働く環境・・・等です。
教える人材が人のトレーニングスキルもなく、単に先輩だからと行っている事があります。
それを管理職は自分は忙しいからと丸投げしている。
・
新人指導を甘く見ている店舗や会社は「だから常に求人している」のだと自覚すべきでしょう。
うちの会社は厳しいからね。
この業界は退職者が多いんだよ。
最近の奴は根性ないよな。
なんて話していたら人手不足はいつになっても解消されないでしょう。
それどころか現在のスタッフからも見放されます。
・
時給を上げても解決しない
・
大企業や資金に余裕がある大企業は、人手不足解消に時給を上げて対応するところもあります。
都市部ですと1,200前後のところを1,500円前後へ上げていたり、中には1,800円以上の企業もあります。
これにより確かに求人力は上がります。
・
それはそうですよね。
同じような職場であればより高いところへ行くのが自然です。
・
ですが、これで求人不足が解消されたかと言えば、解消されてません。
なぜ?
・
定着率が低いからです。
時給が上がれば喜んで働くだろう~
と考える幹部は現場を知らないのでしょう。
・
時給は大きな魅力です。
ですが、時給を上げただけでは人手不足は解消されません。
その事を知らないと会社は大きな損失を出すだけです。
・
時給は上げたけど人手不足は解消されない事例
・
慢性的な人手不足で困っていた大企業があります。
当然人手不足により新しいシステムや画期的なシステム導入できません。
現状ではサービスの質は低下する一方です。
クレームも増えます。
・
そこで時給を大幅に500円上げました。
そしたら多くの求人がありました。
ですが、人手不足の職場に多くの人材を採用したものですからトレナーが不足です。
トレーニングは手が足りず雑になります。
・
十分目が行き届かないので、採用された中には気が緩みなめた態度の者も出てきます。
で、OJT となると十分指導ができていないので上手く仕事ができないとショックの連発で顧客に叱られたりもします。
マインドの弱い人は即時退職します。
・
結果的に半年経過した時には2割弱しか残っていません。
当初に大量採用していますが、当然時給を支給してます。
支給金額が驚くべき高額ですが、全てドブに流している事になります・
・
在籍して指導していた側も負担を強いられた挙句、この現状に失望するだけです。
で、人手不足は解消されないので、また求人活動をしています。
今度はいくらドブに捨てるのですか?
・
折角、募集時給を上げたのに指導環境を整えていないので本来の目的である適正人材確保はいつになっても達成できません。
その上、このような大企業は責任逃れかわかりませんが、誰もその原因を真剣に探求し改善しようとしないようです。
ですのでいつまで経っても人手不足は解消されないと思います。
コメント