将来も大事であるが、「今の人手不足」は深刻
AIが注目されている現在でもやはり人材育成が会社でも店舗でもとても大事であるのは変わらないのではないでしょうか。
よく言われる「10年後に無くなる職業」として、タクシードライバー、店舗スタッフ、事務作業員等々あります。
それは本当の話かもしれませんが、10年後にならないとわかりません。
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車の自動運転が当たり前になればドライバーは必要ないです。
店舗にてお客さんが自分で会計できればレジのスタッフは必要ないです。
事務作業はパソコンが自動で行えばスタッフが手打ち等の作業は必要ありません。
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技術力が進化すればそのような事が現実になる日は未来と言わず、数十年以内に来るのかもしれません。
しかし、それは明日や来週、来月の事ではありません。
10年後・・・等です。
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現在タクシードライバー不足は深刻な問題です。
地方では自分で運転できない人はタクシーや路線バスに頼るしかありませんからね。
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10年後に無くなる職種と言われてしまうと新卒の人が喜んで就職したいとは思わないでしょう。
ですが、人員を確保しないと10年後云々前に会社が潰れます。
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店舗スタッフも同じです。
コンビニやスーパーでレジ打ちが必要なくなり、セルフになっている店舗でもめんどくさかったり、わかりづらいからと有人レジを好まれる方も少なくありません。
また、納品された商品を棚への品出しは機械が行ってません。
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将来的には人手が要らないかもしれませんが、来月のスタッフが足りず頭を抱えている管理職の方は少なくないかと思います。
今人員を確保しないと会社や店舗が潰れてしまいます。
人員不足では十分なサービスができず、客足は遠のきます。
人手不足で一時的に人件費が削減できて利益増加しても、再来客がいないと致命傷になります。
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経営者が深刻な人手不足への対策をどこまで深刻に考えているでしょう。
「将来的には日が要らなくなるから、とりあえず今は何とかして」
なんて事を指示している会社には将来はないのではないでしょうか。
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「そんな事はわかっているよ」
「だから時給上げたり、外国人雇用して人ては集めているよ」
なんて言われる経営者いませんか?
こんな丸投げでは人は育ちませんし、それ以前に在籍率が下がり離職率が上がる一方です。
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求人費用や人件費が減らない。
自然退職もありますが、人員が充足すれば求人費用は減ります。
教育費用も下がってより高度なトレーニングに時間を使えます。
結果的にサービス向上し売上向上につながります。
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将来はどうなるかわかりませんが、やはり「人」は大事です。
特にサービスは人の品質によって左右されるものです。
将来の事ばかり目がいき、今そして近い数か月先から数年先を考えてない経営者の方は危険です。
失礼ながらそんな会社は潰れるでしょう。
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安定した人員確保ができていない職場は働いているスタッフや従業員からも見放されます。
人手不足な環境で働いているのですから満足度は低いですからね。
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やばい人手不足な会社の実例
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誰もが聞いた事ある大手企業のグループ会社の話です。
慢性的に人手不足です。
研修時間を設けて指導してますが、3か月後には半数いれば良い方です。
1年後の在籍率は10~20%です。
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結果、何が起きているか?
1、膨大な人件費
2、常に人がいないのでサービス低下クレーム増発
3、在籍スタッフは常に指導役を担わされるが、辞めてしまうので指導熱意が下がる
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1、膨大な人件費
半端ない費用が垂れ流し状態です。
会社上層部はよくこれで許しているのか不思議です。
株主が知ったら怒り心頭するでしょう。
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在京ですので、今は時給が高騰してます。
この企業も最低時給1,800円です。
見習い期間時給は設定されていないので、研修期間の1か月間もこの時給です。
複数の募集形態がありますが、
例えば週5日x6時間X4週間行うとします。
計120時間x1,800円で、な・ん・と月の支払いが216,000円です。
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これに交通費も払います。
採用した新人が40名としたら8,640,000円ですよ。
これに指導員の給料も加わります。
となると1か月に1,000万円近い人件費が発生します。
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この1か月は当たり前ですが、全く生産性になりません。
全員が1ヵ月後まで残るかはわかりませんが、膨大な費用です。
で1年後には8名以下しか残らない在籍率です。
「・・・」声も出ないですよね。
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2、常に人がいないのでサービス低下クレーム増発
人が適正人数いないとやはりサービスが落ちます。
一番はお客さんも待たせます。
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その上、急がせると対応者も慌てて雑な対応やミスを誘発させます。
そしてその対応にまた人員が奪われます。
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ミスした人は叱られ落ち込むし、管理者も気分が良いものではないでしょう。
そして更にミスをすると言った負の連鎖になります。
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3、在籍スタッフは常に指導役を担わされるが、辞めてしまうので指導熱意が下がる
管理者は何も考えず、指導を在籍スタッフに任せるでしょう。
在籍スタッフは言われた事はやるでしょうが、「どっちみち直ぐ辞めるのでしょう」と考えてしまい、トレーニングへの熱意は下がる一方でしょう。
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この会社はこんな負の連鎖を既に数年行ってます。
お金を使う場所を間違えてますが、誰もアクションを起こさない。
人手不足は「仕方ない」と諦めているのでしょうか。
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AIに期待するのはまだまだ先
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「今はAIが活躍するから人は要らないだよ」と話す方がいます。
確かに年々人手不足解消に貢献するシステムができていると思います。
ですが、まだまだ人の力が必要です。
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例えば今や企業へ問い合わせするのにAIチャットを導入し24時間対応可能ですと誇らしげに宣伝している企業があります。
ですが、どうでしょう?
AIチャット使えますか?
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私はまだ実用的に問題なくは、使えないと思います。
型にハマった問合せでしたら何とか事足りる事もあります。
が、100%ではありません。
ましてやちょっとした条件での質問をするとトンチンカンな回答をさせるだけです。
結局、「下記の時間に問い合わせください」と表記されて終了です。
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何も解決されず貴重な時間を無駄にしたと怒りを感じる事もあります。
チャットは良いシステムですが、やはり人対応でないと駄目だと感じます。
人であれば、こちらの質問がわかりづらいと確認してくれますので、問い合わせの内容にポンポイントが合いますからね。
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やはりここでも人が不足して回答に時間が掛かサービスをしていると客足は遠のきます。
「回答に1時間かかります」とか、「本日中に回答します」などと表記されるとよっぽど必要でないなら画面は閉じられるでしょう。
皆忙しい社会です。
時間はタダではありません。
顧客待たせるとは、その人の貴重な時間を奪う事です。
大事なので再度書きますが、時間はタダではありません。
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顧客を待たせる対応=顧客への敬意がない、サービスの質が低いとみられても仕方ないのです。
それくらい人は大事だと認識している経営者や管理職がどれだけいますか?
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教育係はその会社のエースがやるべき
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人材育成をする部署や担当者はその会社のエースでなければいけません。
勿論、営業やマーケティングも大事です。
ですが、会社を支える人材育成を担う部署や担当者のレベルが低くては、良い人材は育たないので会社の成長はありません。
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教育係や人材育成部署にエースを配置していない会社でしたら、転職を考えた方が良いかもしれません。
人を育てる意識が低い会社かもしれませんから。
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先ほどの実例の企業でも育成係は良く変わりますし、エース?と思われる人もいます。
採用も人材育成も誰も責任を持たない会社ですと無難にやれば良いとなるのですね。
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必要なのは求人力、人材育成力、人材管理力
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人手不足は今後も続くでしょう。
その中でより優秀な人材を招くのは正社員であれアルバイトであれ難易度が増します。
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必要なので求人力と人材育成力です。
それに加え人材管理力です。
この3つの能力ある会社が今後も安定し発展するでしょう。
これは飲食店などの店舗運営も同じです。
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◆求人力とは
人を採用する力です。
採用するのは応募数を増やすしかありません。
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しかしこれは簡単です。
時給や初任給を上げれば良いのです。
それに加えアルバイトならスケジュール調整できるシフトや複利厚生が整っていれば目に止まります。
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◆人材育成力とは
人を育てる力です。
必要なのは素晴らしいトレーニングマテリアルなどのツールと指導者です。
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失敗している会社に多いのが、ツールが現場に合っていない「机上の空論」になっている、指導者が指導方法を知らない事です。
ツールを読み進めれば進むほど混乱する事が良くあります。
現場に沿った人が作成すべきでしょう。
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また、指導者は単に経験が長いとか、簡易的な職位が上だからと人選している事があります。
そんな人選で指導している人の中には我流の指導で、トレニーを混乱させてます。
また、感情的な指導になり結果トレニーが委縮し辞めます。
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◆人材管理力とは
文字通り人材管理する能力です。
これは指導者のトレーニングも含みます。
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退職者の多い職場では管理能力が低いです。
トレニーも指導者も見れてません。
結果、人は定着せずにいつまでも人手不足の為、管理者の時間が使えません。
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本来ならもっとサービスを向上させたいとか考えていてもそれに取り組む時間がありません。
日に日にサービスの質が落ちます。
大きな会社であれば、即倒産に追い込まれる事はないでしょうが、会社の体力は消耗していくでしょう。
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