100対0の過失割合の事故では
全賠事故(100対0の過失割合の事故)とは、被害者側が一切の過失がなく、加害者側に全ての責任があるとされます。
例えば、追突事故や無人駐車中の事故です。
この場合、被害者が加入している任意保険会社は、原則事故の交渉に介入することができません。 その理由は以下の通りです。
- 契約内容の問題: 任意保険は、被保険者(保険契約者)が負う可能性のある賠償責任をカバーする保険です。しかし、相手が全賠事故の事故では、被害者には賠償責任がないため、被害者の保険会社がカバーするものがありません。したがって、保険契約上、保険会社が交渉に介入する権利が発生しないからです。
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- 保険会社の役割: 任意保険会社は通常、契約者が過失を負っている場合にその賠償額を支払い、相手方と交渉を行います。全賠事故では、被害者側に過失がないため、保険会社がその役割を果たす場面がなくなります。
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- 直接交渉の必要性: 被害者が100%の被害を受けている場合、加害者との交渉は基本的に被害者本人が行う必要があります。被害者の保険会社が直接交渉を代行できないため、被害者は自ら相手方(加害者またはその保険会社)とやり取りすることになります。
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ただし、被害者が弁護士費用特約に加入している場合、その弁護士が交渉を代行することが可能です。また、任意保険会社が事故後の対応や相談に応じるサービスを行う会社もあります。
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◆まとめると任意保険会社ができることは、
- アドバイスやサポート: 任意保険会社は、被保険者に対してアドバイスや事故対応のサポートを行う。これは各社により違いがあると思いますので、一先ず事故サポートセンターへ連絡すると良いとでしょう。
- 弁護士の紹介: 弁護士費用特約がある場合、保険会社は弁護士を紹介し、交渉や訴訟を代行を依頼します。これにより、被保険者はサポートを受け相手との対応となります。
結論としては、保険会社が代理交渉してもらえなくても弁護士に依頼する方法があります。但し、その費用は高いので弁護士特約を付帯しておくと良いでしょう。
※これは一般的な話です。保険会社や契約内容により相違しますので、ご契約の保険会社約款もしくはヘルプデスクにてご確認してください。
警察は民事不介入
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事故の際に警察官に言われたと「警察官」と言ったキーワードを水戸黄門の印籠のように言われる方がおります。ですが、民事不介入の原則がありますのでなんでもかんでも警察に関与してもらえません。
「民事不介入」という言葉は、特に事故対応において警察の役割を説明する際によく使われます。
これは、警察が交通事故の発生時に刑事上の責任や交通違反については対応するものの、民事上の責任(賠償問題など)には介入しないという原則です。
民事不介入の概要
◆警察の役割: 交通事故が発生すると、警察は現場に来て事故の状況を調査し、交通違反があればその対応を行います。また、事故証明書を発行するなど、事故の事実を記録します。しかし、これらはすべて刑事的な側面に関わるもので、誰がどれだけ賠償すべきかといった民事的な問題には関与しません。
◆賠償問題は当事者同士で解決: 民事不介入の原則により、賠償問題や損害賠償額の交渉は、基本的に当事者同士で解決する必要があります。このため、保険会社や弁護士が代理として関与することが多いです。警察は賠償金額の算定や過失割合の決定には関与せず、あくまで事故の事実関係を記録するのみです。
◆例外的な介入: ただし、民事的なトラブルが重大な刑事事件に発展する場合、または明らかに違法行為が伴う場合には、警察が関与することがあります。しかし、通常の事故対応では民事不介入の原則が優先されます。
交通事故の際、警察官は直接介入しません
通事故が起こり、加害者と被害者の間で賠償額に関するトラブルが発生した場合、警察はこのトラブルに直接介入しません。
代わりに、当事者は自分たちで話し合いを行い、必要に応じて保険会社や弁護士を通じて解決を図る必要があります。
警察への間違えた依頼
「民事不介入」とは、警察が事故の際に刑事的な対応を行う一方で、民事的な賠償問題には関与しないという原則を意味します。賠償や過失割合の決定は、当事者同士の話し合いや保険会社を通じて解決する必要があります。
事故現場で動揺され混乱しているからか全てを警察官に頼ったりする方がいます。また、保険会社へ連絡した際に「警察官に言われたから~」と言われ間違えた要求をされる方もいます。
警察官や保険会社へ頼る事は間違えではありませんが、便利屋ではありませんので要望全てに対応できると誤解させないようにしましょう。
何を誰に依頼するかは当人の責任で行う必要があります。
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10:0被害事故での保険会社は何ができる
全賠事故(100対0の過失割合の事故)において、保険会社が介入できないという点については、いくつかの誤解が存在することがあります。
以下に、よくある誤解とその正しい理解を説明します。
「任意保険会社が介入できない」という誤解
- 誤解: 全賠事故の場合、被害者の任意保険会社が介入できないと思われがちです。
- 正しい理解: 任意保険会社は、被保険者に過失がない場合、直接の交渉に介入することはできません。しかし、被害者側のサポートやアドバイス、または示談交渉のための弁護士費用特約を利用した弁護士の紹介など、間接的な支援はしてくれるでしょう。ただし、弁護士特約の付帯をされていないとサービス幅が狭まる可能性があります。
「加害者の保険会社がすべて決める」という誤解
- 誤解: 全賠事故では、加害者の保険会社が賠償額や条件を一方的に決めるという誤解があります。
- 正しい理解: 被害者が加害者の保険会社と直接交渉することになりますが、その交渉の過程で納得できない場合は、被害者は自身で法的手段を取ることも可能です。加害者の保険会社が一方的に決めるわけではなく、被害者の言い分を伝える事ができます。
「保険会社同士で解決してくれる」という誤解
- 誤解: 全賠事故でも、被害者の保険会社と加害者の保険会社が直接やり取りして解決すると考えられることがあります。
- 正しい理解: 被害者側の保険会社は、被害者に過失がない場合、加害者の保険会社と直接交渉する権限がありません。そのため、被害者本人が加害者の保険会社と直接交渉するか、弁護士を通じて対応する必要があります。
弁護士特約の付帯
代理で交渉をお願いできるのは法律の専門家である弁護士です。ですが、その費用は高いです。
家族や知人に弁護士の方がいれば心強いですが、そうでない方がほとんどかと思います。
万が一の事故への備えに入るのが自動車保険です。
そして事故の際に付帯してあると非常に助かるのが弁護士特約です。「車両」のように高くないので付帯を検討されるといかがでしょうか?
※保険会社や契約内容によりそのサービスが相違するかと思いますので、よくご確認してください。
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