体験したからわかる現実
飲食店開業は、弁護士や税理士と言った難易度の高い資格など不要です。
他業種からの参入もハードルが低いです。
ですが、正直申し上げて継続して営業するのは非常に難しい事業です。
実際に自分で開業して営業したから言える事です。
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10年後の生存率は10%もないと言われるのがよくわかります。
とは言え、私もそうでしたが開業しようと熱くなっている時は周りの声は耳に入らない事も理解してます。
が、、、、敢えて立ち止まって再検討すべきだと思います。
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飲食業に従事していると誰もが夢見るのが独立開業だと思います。
私の周りもそうでした。
ですが、実際私の会社では多くの方が退職しましたが、飲食店を開業したのは私ともう一人先輩のみでした。
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当時は開業できた事を自負していました。
開業まですご~く大変でしたので、「よくぞやった!」と自分を褒めて上げたくなったものです(笑)。
開業までやる事が山のようにありました。
が、開業してからはある意味「経営を安定させる」のにもっと大変でした。
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独立したいのであれば、「飲食業にこだわらなくても良いのだ」と今だから言えます。
飲食開業に燃えていた当時の自分に言ってやりたいです。
転売せどりの方が売上や利益を上げるのは容易です。
副業ペースでも飲食店営業する以上の売上を出せますから。
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飲食店を開業、営業は「やる事が多過ぎ」
個人が飲食店を開業するにはやる事が多くありますので時間と労力を使います。
ホント半端ないです。
場所選び
- 立地の重要性: 飲食店の成功にとって、立地は非常に重要です。ターゲットとする顧客層が集まるエリアを選ぶことが求められます。
- 競合状況の分析: 近隣の競合店を調査し、自分の店がどう差別化できるかを考えることが大切です。
- 但し、個人で最高の物件を見つけるのは、コネや潤沢な資金がないとほぼ無理です。コロナの影響などで運良く物件を獲得された方はいるかもしれませんが、そのような特別な事がない限り優良物件が個人へ紹介される事は先ずないです。
- 都内を1年かけて休みの日の回りましたが、個人ですと商業物件を紹介してもらう事すら大変です。
資金計画とコスト管理
- 初期投資の計画: 設備投資や内装工事、仕入れ資金などにどのくらいの初期資金が必要かを把握します。
- ランニングコストの見積もり: 人件費、家賃、光熱費、仕入れコストなど、毎月の固定費用を正確に見積もることが必要です。
- 資金確保は非常に大事です。開業に多額の資金が必要ですが、それ以上に開業後の運転資金をいくら確保できるかです。お店が軌道に乗るが3か月、半年、1年かかるかわかりませんから。
メニュー開発と価格設定
- 独自性のあるメニュー: 他店と差別化できるような特徴的なメニューを開発し、魅力的な商品を提供できる印象に残ります。
- 価格設定: ターゲット層の購買力や競合店の価格帯を考慮し、適切な価格設定を行います。
- 個人店は価格で勝負してはいけません。資本力のある企業に太刀打ちできません。メニューも広げ過ぎると食材管理が大変です。
法的手続きと衛生管理
- 営業許可と届出: 飲食店営業許可、食品衛生責任者の資格取得、保健所への届け出など、必要な法的手続きを確実に行います。
- 衛生管理: 衛生基準を満たすために、厨房や店内の清掃、スタッフの衛生教育などを徹底することが求められます。
マーケティングと集客
- 宣伝: 開店前からSNSや地元メディアを活用して認知度を高め、オープン時の集客を計画します。
- リピーターの獲得: 初回利用者をリピーターに変えるためのサービスやプロモーションを考えることが重要です。
- 個人ではリピーターが重要な収入源になります。如何に気に入ってもらえるか常に考えアクションを繰り返し検証する必要があります。
人材確保と育成
- 信頼できるスタッフの確保: 経験豊富なスタッフや信頼できるアルバイトを採用し、開業時のオペレーションを安定させます。
- スタッフの教育: 接客マナーや業務効率化のための教育を行い、店舗のサービス品質を高めます。
- スタッフの確保が難しい時代です。何に妥協するかマイルールを作っておく必要があります。そうしないと取り合えずシフトは埋めてくれるけど質の悪いスタッフしか残らなくなります。
顧客満足度の向上
- 顧客の声を反映: フィードバックを積極的に収集し、メニューやサービスに反映させることで、顧客満足度を高めます。
- 柔軟な対応: トレンドや季節に応じてメニューを変更したり、イベントを企画するなど、柔軟な対応が求められます。
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個人が飲食店を開業しない方がよいワケ
大変な事ばかりですが、何とか開業して営業できても個人が飲食店を続けるには多くの難点があります。
飲食店営業はやりがいもあり、顧客らとのコミュニケーションも楽しいです。
ですが、難易度が高いのも事実です。
個人が飲食店を開業しない方が良い理由として、以下のような点が考えられます。
リスクの高さ
- 競争の激しさ: 飲食業界は競争が非常に激しく、顧客を獲得し続けることが難しいです。リピーター客をどれだけ増やせるかがカギになります。
- 高い初期投資: 設備や内装、仕入れに多額の初期投資が必要であり、多くの人が多額の借金をしての開業になりますので、リスクが大きいと感じます。
運営の難しさ
- 長時間労働: 飲食店の経営は、長時間労働が避けられないことが多く、家庭やプライベートの時間が犠牲になります。営業時間だけを考えがちです。開店前の仕込みや閉店後の清掃等の非生産時間が長い事を忘れてはいけません。
- 人材管理の難しさ: スタッフの採用や教育、労務管理が難しく、人間関係のトラブルやスタッフ不足に悩むことがあります。今は労務管理が改善されて大手飲食店のアルバイトでも有給を取るのが当然の時代です。
収益の不安定さ
- 季節や景気に左右される: 飲食店は季節や景気に大きく左右され、安定した収益を確保することが難しいです。雨が降った、気温が下がっただけでも集客に影響します。
- 経済的リスク: 収益が見込めない場合、借金が残る可能性や生活費を確保できないリスクを常に心配する事になります。
専門知識と経験の不足
- 経営スキルの不足: 飲食店経営に必要なスキルや知識は幅広くあります。企業であれば各々で分担した部署が対応します。ですが個人ですと仕入、マーケティング、販売、人材育成、トラブルシューティング等を全て対応しなくてはなりません。知識や経験がないと不足していると習得に時間、労力、資金を費やします。
- 調理技術の不安: 特に飲食業界での経験がない人にとって、メニュー開発や調理技術の不足が不安要素となり得ます。
市場の変化とトレンドの速さ
- 消費者の嗜好の変化: 飲食業界では消費者の嗜好やトレンドが急速に変化するため、それに適応するのが難しいです。
- 新たな競合の登場: 新しいスタイルの飲食店やデリバリーサービスなどが次々と登場し、市場でのポジションを維持するのが難しいです。
- 経済の不安定さやコロナのような出来事は個人店には大きな脅威でしかありません。
飲食店の開業は魅力的である一方で、このような理由により廃業される起因となっています。
飲食店の具体的な生存率は
個人が飲食店を開業して事業を継続できる割合は、非常厳しいとされています。
具体的な数値は地域や業種によって異なりますが、一般的に言われている数値です。
1年後の生存率
- 約50%: 開業後1年以内に約半数の飲食店が閉店に追い込まれると言われています。初期の失敗は主に資金不足や計画不足に起因することが多いです。
3年後の生存率
- 約30%: 開業から3年間、継続して営業できている飲食店は約30%程度になることが多いです。これは市場競争や経済的なプレッシャー、経営の難しさなどが影響しています。
5年後の生存率
- 約20%: 5年後には約20%の飲食店しか生き残っていると言われています。この時点で残っている店舗は、経営の基盤がしっかりしており、安定した顧客層を獲得していることが多いです。
10年後の生存率
- 約10%以下: 10年以上継続している飲食店は全体の10%未満とされることが多いです。このような店舗は、地域に根ざした安定したビジネスモデルを持ち、長期的な成功を収めているのでしょう。
コメント
飲食店が長期的に生存するためには、安定した顧客の獲得、経営戦略の柔軟性、優れた資金管理などが必要です。
また、消費者の嗜好や市場のトレンドに適応できているかもポイントです。
このような統計は、飲食店に限らず、小規模ビジネス全般に適用される傾向がありますが、特に飲食業界は競争が激しと言われてます。
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再々のコメントになりますが、飲食店は楽しい事業です。いろんな人との出会いは貴重な経験になります。
ですが、「もう一度やるか?」と尋ねられたら即答はできません。
その理由は、お金と時間です。
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潤沢な資金があれば良いのですが、多くの飲食店経営は自転車操業のようなところがあります。常にペダルをこがないと開業資金の返済や運転資金の確保ができなくなります。
その上、営業は天候等に簡単に左右されてしまいますので収益が安定しません。
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時間を兎に角使います。
家族との時間を捻出するのは難しいです。まだ、1階が店舗で2階や裏に住居があるのでしたら良いかもしれませんが、店舗への通いになると朝早く出て、夜遅く帰宅のような生活になるでしょう。
子供との会話が減り夫婦の仲が悪くなるのは必然です。
そのようなリスクを抱えても飲食店を開業するかは勿論個人の考えによるところですが。
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