飲食店開業前の大きな壁
脱サラして飲食店を開業しようとしたらいくつかの壁があります。
その中でも大きなものが配偶者の反対です。
配偶者の反対への対策を取らずに飲食店開業を断行した末に何があるのか?
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飲食店の独立開業に際して、配偶者が反対するケースはかなり多いのではないでしょうか。
その割合はおおよそ6〜7割に上ると言われています。
私の場合もしっかり反対されました(笑)
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では、配偶者が反対する理由としてどのような事が考えられるでしょう。
反対の主な理由
◆収入の不安定さ 脱サラ後の飲食店経営では、開業直後は収入が不安定で、売上が安定するまでに時間がかかることが多いです。
安定した収入があるサラリーマンからの不安はとても大きいです。
◆経済的リスク 飲食店の開業には初期投資が必要です。店舗の家賃や内装費用、食材費、人件費などが大きな負担となります。
失敗した場合に家庭の経済状況が悪化するリスクがあるため、配偶者はリスク回避の観点から反対することがあります。
◆長時間労働と生活への影響 飲食業は開業後、長時間の労働が求められます。家族との時間が減ることは十分予想されます。
飲食店は営業時間外の仕込みや清掃等で営業時間と同等の時間を使うぐらい考えておく方が良いです。
配偶者が家族の生活やバランスを危惧します。飲食経営に専念するとなると家事育児を全て配偶者に丸投げになりますので、当然反対となります。その上、「お店を手伝って」と言ったものなら喧嘩にならない方が不思議ですよね。
◆飲食業の厳しい競争環境 飲食店は競争が激しく、多くの店が数年で閉店に追い込まれる現実があります。
このような業界の厳しさを知れば配偶者は、将来の不安から猛反対となるでしょう。
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お金、生活、将来と不安要素しか頭にないでしょう。
配偶者の理解を得るためには、容易な事ではありません。
子供がいるか否かも大きな違いはあるかと思います。
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配偶者が反対したらどうしますか?
配偶者が飲食店開業に反対した場合、どうされますか?
以下のような事が考えられます。
開業を断念
反対意見を尊重し、家庭の安定を優先して開業を断念する選択が考えられます。
経済的リスクや家族の生活バランスを考慮し、飲食店を諦めて別のビジネスモデルや副業に切り替える選択です。
開業を延期
配偶者の不安を解消するため、十分な資金を蓄えたり、より具体的なビジネスプランを立てて、開業時期を延期する選択肢もあります。
これによりリスクを軽減し、配偶者が納得するタイミングを待ちます。
但し、年齢にもよります。
40代半ばからの開業は体力的、経済的、将来等を考えるとリスク度は高いです。
代替案を探す
配偶者の反対を受けて、飲食店以外のビジネスに目を向ける選択もあります。
例えば、フランチャイズ経営やオンラインビジネス、リスクの少ない小規模なカフェや移動販売など、より低リスクな選択肢にシフトすることが考えられます。勿論、それぞれにリスクはあります。
慎重な協議の上、開業を強行
配偶者の反対にも関わらず、強い意志で開業に踏み切る人もいます。
しかし、この場合は家庭内での衝突やストレスを引き起こす可能性が高いでしょう。最悪、離婚や家族離散の危機に発展する可能性もありますハイリスクです。
家族のサポートがなければ、開業後の運営に支障をきたし、開業する目的もブレる可能性があります。
共同経営やパートナーシップの提案
配偶者の反対を受けて、より安心感を与えるために、配偶者をビジネスのパートナーとして巻き込み、共同経営の形で事業を進めるという選択肢もあります。
これにより、二人でリスクを管理しながら進めることができますが、家庭がある事には変わりありません。
また、配偶者が仕事をしている場合にそれを辞めて一緒に働くとなると経済的な課題はあるかもしれません。
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いずれの場合でも、配偶者との信頼関係や、互いの不安や期待を正直に話し合うことが大切です。
現状、置かれている環境にもよって変わってくるでしょう。
◆子供はいるのか? 何人? 何歳か?
◆配偶者は働いているか? 別途収入はあるのか?
◆現在の資産はいくらか? 開業後に運転資金とは別に生活費がいくらプールしてあるのか?
◆店舗の場所は近いか?遠いか?
◆家事や育児にどれくらい関われるのか?
などです。
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配偶者とよく話をして、何を危惧しているのかを聞き出すことで解決策が見いだせる糸口が見つ可能性もあります。
ただ、頭ごなしに反対して話ができないケースも多いでしょう。
とは言え、そこで切れて怒っても何の解決にもなりませんから、冷静になるべきでしょう。
開業前は熱量が高く、自分でもわからない内に周りが見えていない事があります。相手に話を聞いて欲しいとの思いが強く、実は自分が聞く耳持たない姿勢になっている事も十分あり得ます。
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配偶者の反対を押し切った結果・・
配偶者の反対を押し切って開業した結果、早期に軌道に乗れば万々歳です。
しかし、残念ながら3年以内に半数以上が廃業する厳しい業界です。
その結果、廃業し離婚に至るケースは実際に存在します。
飲食業界は競争が激しく、経済的なリスクや長時間労働が伴うため、家庭生活に大きな影響を及ぼした結果とも言えます。
このようなケースで見られる典型的なパターンは以下の通りです。
廃業に至る経緯
◆経営の難しさ 飲食店は初期投資が大きく、軌道に乗るまでに数年かかることも多いです。
しかし、収益が予想通りに上がらない、競合店の存在、立地の問題、スタッフの確保が難しいなどの要因から、経営が悪化し、廃業に至ることがあります。
◆家庭の経済的負担 廃業によって、多額の借金や経済的な負担が家庭に残ることも少なくありません。
配偶者が元々反対していた場合、家計が苦しくなると、その不満がさらに強まります。開業前に家族との話し合いやリスクヘッジが不十分だと、家庭内での亀裂が深まります。
離婚に至るケース
◆長時間労働による家族関係の悪化 飲食業は通常、朝から晩まで働くことが多く、家族との時間が大幅に減ります。
特に子育てや家族行事に参加できないことが続くと、配偶者との溝が深まり、次第に家庭内での役割分担が偏ることもあります。この不均衡が原因で、家庭内でのストレスが高まり、離婚に至ることがあります。
◆開業の失敗による配偶者との対立 配偶者が反対していたにも関わらず、開業を強行した場合、経営がうまくいかなかった時に「やはり反対すべきだった」といった感情が生まれ、対立がエスカレートすることがあります。
お互いの信頼関係が損なわれ、離婚という選択肢を取ることも考えられます。
廃業も離婚のリスク
実際、こういった事例はニュースやビジネス相談の場でもよく耳にします。
飲食店は廃業率が高い業種の一つであり、成功するまでに多くの困難が伴います。
数年経営した後、借金を抱えて廃業しその経済的プレッシャーや精神的ストレスが原因で離婚に至ったケースも報告されています。
対策はあるのか
離婚へのリスク対策はあるのか?
これらのリスクを避けるためには、以下のような準備や行動が重要です。
- 十分な資金計画とリスクヘッジ:経営が順調でない場合でも生活できる資金を確保。
- 家族とのコミュニケーション:開業前に家族の理解を得て、不安を共有し、協力体制を築く。
- ビジネスの適切なスケール:大きなリスクを取らず、小さな規模から始めることで、リスクを最小限に抑える。
資金の準備、家事育児の参加、軌道に乗れない時の撤退策の準備などをしっかり配偶者に説明し理解を得るしかありません。
家族のサポートは飲食店経営において非常に重要です。
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開業後に配偶者との関係がギクシャクすると精神的に大きな負担となり、店舗運営どころではなくなります。
開業への強い思いがいつしか冷静さを欠いている事があります。
皆、全体成功すると考え開業するものですが、実際軌道に乗るまでに時間が掛かり廃業に至るケースは多いのが事実です。
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廃業して「さぁもう一度0からスタート」と行ける方は少なく、開業資金の借金を抱えての再スタートになるケースが多いでしょう。
飲食業は夢のある仕事ですが、リスクが大きく、その上失敗した場合に再スタートするのに時間が掛かる事も開業前に考慮するべきかと思います。
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